パタンナーのお仕事を詳しく紹介♪ したいのですが・・・

私の仕事は、企業デザイナーからデザイン画を貰ってそれを立体化していく仕事なんですが、そのデザイン画や形はあくまでも企業の物なので、私はその会社からお仕事を頂いている以上、それを勝手に紹介するわけにはいきません。

色々面白いものもあったりして、紹介したいのは山々なんですが・・・

 

ただ今回、市のある社団法人からユニホームを作ってほしいと依頼を受け、それなら生産後なら出来るまでの過程を紹介できるだろうと思いブログにしました。

 

依頼は市の生地を使って、市内生産でユニホームを作るとの事で、デザインは着る女性が形を本などから選んで決めました。

 

私はその本に載ってる写真から形になるようにパターンを作る役目です。

今回はジャケットとブラウスとスカートの三点セットでした。

 

まずはデザインを元にシーチングと言う生地で半身のトワルを組み立てます。

三点セットなので、それぞれ組み立てた後、セットにしてボディに着せてみます。

これはシルクピンと言う針だけで組み立ててるので、デザインにあってるか?形はきれいか?などとシーチングを色々動かしながら自分が納得できるように組み立てていきます。

 

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この段階でちょっと気になる部分があったら、パターン上にそれを反映させて修正をしながら、最初のパターンを作り上げます。

 

そのパターンを元に、本番に近い生地で試着できるように今度は縫っていきます。

オーダーの場合は本番の生地で仮縫いと言う工程がありますが、量産の場合はこのようにありあわせの生地のちょっと近いものを探したり、又は半身トワルの時に使ったシーチングで縫ったりします。今回は生地を使ってみました。あくまで試着用なので、ざっくりと縫ってあります。

 

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企業用のパターンの場合はこの段階のサンプルをモデルなどに試着してもらって、マスターサイズを作り上げていくのですが、今回は着る人が決まっているのでその方々に試着してもらいました。

試着してもらって着る方々の体型に合うようにチェックして、最終のパターンにします。デザイン的にも気になる部分は修正していきます。今回はサイズが小さい人もいて、それぞれの人に合わせるようにサイズ展開して、このようにCAD上でパターンを作ります。

このパターンはプロッターと言う大きなプリンターのような出力機でプリントします。パターンの周囲に色がついているのは、プロッターに対してカットすると言う指示が出されています。なので、このパターンは外周をカットされて出力されるんです。すごいですね~、文明機器。

 

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ここまでがパタンナーとしての通常の仕事で、プリントアウトしたパターンを送ったり、CADデータを送ったりして納品になります。

 

ただ、今回は着る女性が選んだデザイン+市内企業の生地+市内洋服製造

と言う組み合わせなので、デザイナーがいません。なので、集めてきた市内企業の生地で考えられる配色の想像がつきにくいと思い、私が配色例を絵にして見てもらう形にしました。これは一部ですがこんな感じで作りました。

 

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後は好きな配色を決めて貰って、集めてきた生地で生産するだけです。

 

が・・・・

この努力は無駄になってしまいました。

残念なことに、市内で集められた生地がどうも気に入らなかったみたいで、結局生産することはありませんでした。最初の趣旨とは関係なく、カタログで選んで購入されるようです。

本当に残念です。