洋服の型【ケープ】

ケープとは

ケープと聞くと、肩や背中を覆うように作られた、婦人用のジャケットやコートを思い起こしますが、昔は男子が多く用いたようです。

 

その構造は、基本的なものとして、

円形の布の中央をくりぬいて、そこから首を出す、サーキュラー・ケープと

肩に縫い目を付けて円錐形に作られたスパニッシュ・ケープの

二種をあげることが出来ます。

 

丈は、肩より短いとケープカラーになり、ウェストより長いとマントになるので、その間で色んな丈の物があります。

 

簡単な防寒、防雨の目的で、ワンピースやジャケット・コートの上に付けて着る場合や、装飾としてついている場合もあります。その際、独立して作られているものもありますが、ワンピースやジャケット・コートに縫いつけられているものもあります。

 

ケープの歴史

その歴史は古く、エジプト時代に存在したもっとも原始的な衣服の基本形の一つでもあります。当時のスタイルは、上半身にケープ、下半身にスカートを着用していて、その形状は、四角い布を肩にかけて結ぶスタイルと、円形や長方形の布の真中に穴をあけて首を通すスタイルの物がありました。
確かにこの形は服の原点かもしれませんね。

 

紀元前3000年頃のバビロニア地方の浮彫には、ケープを着た美しい婦人像が彫られていることから、当時は薄手の布で作られ身体に沿って垂れ下がった、優雅な感じのケープだったようです。

その後は薄地、厚地、編み物、毛皮と色んな素材や形で洋服に取り入れられるようになりました。

 

面白いのは英語でケープですが、ポルトガル語のカパ(kapa)が語源の為、日本にはカッパと伝わったようです。

そのカッパにあてた感じが合羽なので、雨合羽はケープであったと言う事ですね。