加工用語【ケミカル】
ケミカルとは
化学物質の事を言う言葉ですが、洋服に関わっていると、その言葉に結構触れます。
洋服は素材で作るものですが、ケミカルを合わせる事で、変化を追及したんでしょうか。
ケミカル・レース
シルクや水溶性の生地に立体的に刺繍をして、その後基礎の布を特殊な化学薬品で溶かして作られます。
立体的な刺繍の美しい模様は、とても豪華で、モチーフだけでもアップリケのように使って洋服を華やかにすることが出来ます。
生地・レース・ファッション問屋(シルク日本製/リバーレース/チュール/ケミカル/広巾/細幅/モチーフより画像引用
ケミカル・ウォッシュ
デニムの加工の種類で、色落ちを促進する薬品を加えて加工することです。
ストーンウォッシュに薬品を加えると、自然な色落ちになります。
1980年代に流行ったメンズファッション | Middle Edge(ミドルエッジ)より画像引用
ケミカル・シューズ
合成ゴムや、ビニール製・ナイロン製の靴の事を言います。
革製に比べると形が崩れやすいと言う欠点はありますが、
水に強く汚れが落ちやすく、安く作れるので、子供用に普及しました。
ケミカル・ファイバー/ケミカル・ファブリック
化学繊維の事です。
前のブログに化学繊維については書いてみました。
☆輝く女性の大人服 : sai.sai ブログ | 20140708
天然の物だった洋服に化学を加える事で、
丈夫になったり、変化したり、ファッションへの追及は素晴らしいです。
洋服の型【ケープ】
ケープとは
ケープと聞くと、肩や背中を覆うように作られた、婦人用のジャケットやコートを思い起こしますが、昔は男子が多く用いたようです。
その構造は、基本的なものとして、
円形の布の中央をくりぬいて、そこから首を出す、サーキュラー・ケープと
肩に縫い目を付けて円錐形に作られたスパニッシュ・ケープの
二種をあげることが出来ます。
丈は、肩より短いとケープカラーになり、ウェストより長いとマントになるので、その間で色んな丈の物があります。
簡単な防寒、防雨の目的で、ワンピースやジャケット・コートの上に付けて着る場合や、装飾としてついている場合もあります。その際、独立して作られているものもありますが、ワンピースやジャケット・コートに縫いつけられているものもあります。
ケープの歴史
その歴史は古く、エジプト時代に存在したもっとも原始的な衣服の基本形の一つでもあります。当時のスタイルは、上半身にケープ、下半身にスカートを着用していて、その形状は、四角い布を肩にかけて結ぶスタイルと、円形や長方形の布の真中に穴をあけて首を通すスタイルの物がありました。
確かにこの形は服の原点かもしれませんね。
紀元前3000年頃のバビロニア地方の浮彫には、ケープを着た美しい婦人像が彫られていることから、当時は薄手の布で作られ身体に沿って垂れ下がった、優雅な感じのケープだったようです。
その後は薄地、厚地、編み物、毛皮と色んな素材や形で洋服に取り入れられるようになりました。
面白いのは英語でケープですが、ポルトガル語のカパ(kapa)が語源の為、日本にはカッパと伝わったようです。
そのカッパにあてた感じが合羽なので、雨合羽はケープであったと言う事ですね。
お世話になった方のお見送り
あれから40年近く
私が専門学校に行くために東京に来たときに、田舎の中だけで暮らしていた私は、不安で一杯でした。
寮に住んでいたので、毎日寂しくて心細くてと言う事は無かったけれど、そこに缶詰なのも・・・・
実は住んでいた寮は厳しくて、外泊届けは保護者からの許可の手紙が来ないと出せないので、そんな環境の中、母の兄(叔父家族)が川越に住んでいて、私にちょくちょく遊びにおいでねと言ってくれていた叔父の家は私が外泊できる唯一の場所でした。
従姉妹は私と近い年齢で話しやすいし、叔父は優しく、叔母はお料理が上手で、川越に泊まりに行くことはとても楽しみでした。
それから、私が専門学校を卒業して就職して結婚するまでの間、叔父家族には本当にお世話になりました。
その叔母が6月1日に亡くなったんです。
突然の訃報にビックリ
前から色々と病気がちで、叔父が介護をしていたのですが、亡くなるほどの状態にあることは知らず、電話をもらってビックリでした。
すぐに出かける準備をしたのですが、都会は葬儀も込んでるみたいで、6月5日がお通夜と言う事と決まり、私はゆっくりと支度をして出かけることが出来ましたが、こんなに時間が空くなんて、ご家族は大変ですよね。
都会の葬儀事情にもビックリです。
期せずして北陸新幹線に
北陸新幹線が開通して、世の中すごいブームでしたが、私は乗車できる予定がまったく無く、いつかは乗るだろうくらいのスタンスでした。
が、今回、思いがけず乗ることになりました。あまり嬉しくない機会ではありますが、ただ、そのおかげで、川越までは早く行くことができ、北陸新幹線開通には感謝です。
家族葬
と言う事でしたが、優しさをたたえた叔母の顔がお出迎えしてくれた式場はとても立派でした。
ただ、参列者はほぼ親族だけなので、みんなでゆっくりお見送りすることが出来、叔母の最後の様子を詳しく聞け、良いお式でした。
あんなにお世話になったのに、晩年はぜんぜんお会いすることが無く、不義理をしていた事を悔やみますが、今回ちゃんとお見送りが出来てよかったと思いました。
パターンの原型
原型とは
パターン(洋服の型紙)を作るときに元にするものです。
本来は個人一人一人の体系にあった原型が欲しいところですが、オーダーで服を作らない限りは原型を作る人はいないですよね。
そういう意味で、オーダーを仕事としているパタンナーさんは誰々さんの原型と言うのを持っていますが、通常はJIS規格の9号の原型、と言ったものを使う事が多いです。
当然、大きなサイズを専門にしているメーカーさんはそういう原型、子供服のメーカーさんは子供の原型、とそれぞれの会社のターゲットにあった原型を使います。
原型を作る
私達パタンナーはボディーを持っていますが、一番最初にそのボディーの原型を作ることから始めます。
ボディーには洋服に必要なゆとりが入っているので、それにぴったりの原型を作れば、最低のゆとりが入った物になります。
その原型を元に、サイズに合わせたり、デザインに合わせたりして製図を行く事によって、規格に沿った製図が出来ます。
ただ、デザイン性のとても多いものは原型を使うより、直接ボディーに布を当てて作り上げていく方が早い場合もあり、パタンナーさんはデザインに合った方法で製図をしていきます。
洋裁用語【毛抜き合わせ】
毛抜き合わせ
洋裁をするときの用語で、毛抜き合わせと言う言葉があります。
これは、表側と裏側が、どちらにも控えられずに突合せになっている状態を言います。
この絵のような状態に作る事ですが、
これはリバーシブルで作る時など、表裏が無い状態で作りたいときの方法です。
通常はこのように表側に裏が吹き出ないように、地縫いした後、裏側を少し控えます。
毛抜き合わせの場合、表と裏の色が違う時、裏側の色が吹き出ると目立つため、
丁寧に折り返さないといけなくなります。
両方アイロンの技術で処理しますが、通常の地縫い返しの場合は、縫い代を表側に片倒しして返し、毛抜き合わせの場合は、縫い代をいったん縫い割りして返すと上手くいきます。